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緊急無線通信障害?ddh-971

緊急無線通信障害

2019/7/19
2019/1/05

 2018年12月20日 日本海において韓国海軍の駆逐艦  広開土大王(DDH-971)が海上自衛隊のP-1哨戒機に対して火器管制レーダーを照射した事案。事案発生以来、韓国の言い分は "捜索に火器管制レーダーを使用したがP-1哨戒機には照射していない" から "火器管制レーダーを使用しなかった" に変遷している・・・この顛末はTVのワイドショーで楽しむとして両国の「無線通信」に絡むあたりを考察してみましょう。


2018/12/28 防衛省がレーダー照射の動画YouTube公開 8:57〜



2019/1/4 韓国が自衛隊哨戒機レーダー照射問題にYouTube動画で反論 3:36〜




「oo白書」と言う用語をご存じだろうか、これは政府系機関が発表する「統計資料」類の事であるが文章に装飾的なイラストなどお飾り的な物を記載せず必要事項のみを簡潔に記載してある・・・全体にお飾りがなく表紙のほとんどが余白のため「白書」と呼ばれている。
 
・防衛省公開動画は正に「白書」(解説スーパーインポーズを除き)余分な飾りを含んでいない。
・韓国公開動画はオリジナル映像は皆無に等しく防衛省公開映像を流用したものが大半で自己主張の正当性を示すための「証拠映像」と言えず、BGMまで付けた娯楽用と言うか プロパガンダ動画ですね。
 





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U/VHF帯で明瞭に無線交信できない?
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 U/VHF帯電波の伝わり方を纏めました。今日AMは一般的でないのでFM電波での伝わり方を示しますが至近距離・見通し距離通信ではAM電波と大差ありません。

(条件設定)
使用機器:ハンディー トランシーバー 、純正ホイップアンテナ 出力5W FM
相手距離:見通し距離(海上・上空)

(電波状況)【注2】
交信距離 160m:  メリット5
交信距離 1.6Km: メリット5
交信距離 16Km:  メリット5〜4


メリットとは、信号の了解度を表わす用語。5段階に分かれ、
         メリット5: 問題なく理解できる
         メリット4: ほぼ理解できる
         メリット3: 多少雑音はあるが、理解できる
         メリット2: 一部聞き取りにくい
         メリット1: ほとんど聞き取れない
  という感じで相手局にレポートする。

*地上高150mから見通せる水平距離:46.37Km
  121.500MHz AM 緊急周波数
(民間機が緊急事態発生時に使う周波数)
  
123.100MHz AM 救難周波数(警察・消防・海保・自衛隊機の救難活動用)
  243.000MHz Am 緊急周波数(軍用機が緊急事態発生時に使う周波数)
  156.8MHz FM 緊急通信呼出符号(船舶局)



【例1】国際宇宙ステーションとの無線交信
     相手は地上から約400km離れたISS国際宇宙ステーション
     オペレーター 油井亀美也宙飛行士
     ISS側は出力20WのFMトランシーバー使用
     受信品質:メリット5【注1】

通信可能3分前から呼んでいるので中々油井さんからの応答がありません (-_-; 2:56〜

【注1】ISSとの無線交信時、原理的にISSが天空(真上)に来た時に一時的に雑音が入るので通信品質評価時は要注意。約400km離れたISSとの無線交信が ほぼ電話と同等でノイズ無しの電波状況であることを確認ください。双方見通し間通信では、このような遠距離でもAM/FM共「メリット5」で無線交信できます。

【注2】これは送受共ハンディー トランシーバー純正ホイップアンテナ(低性能)を使用した場合の電波到達状況であって、船舶局なとは 1/4波長若しくは多段GPアンテナを搭載しているのでこのデーター以上に電波到達状況は改善されている。



【例2】
2019年6月13日 ホルムズ海峡近くで起きたタンカー攻撃事件で攻撃されたノルウェーのタンカーの救助に向かった船の緊急無線の音声が公開されました。




【例3】
2019年7月19日 ホルムズ海峡でイランがイギリスのタンカーを拿捕した際の無線のやり取りが公開されました。イランの革命防衛隊とイギリス海軍がそれぞれタンカーに呼び掛ける緊迫した様子が記録されています・・・VHF Audio - 無線通信品質に注目ください;雑音などなくまるで固定電話での会話のように明瞭な音声で聞こえています。(メリット5)


↓どうして韓国の軍艦だけ ”雑音がひどく、はっきりと聞こえないの?”

・海上自衛隊のP-1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦に異常接近(150m)した・・・

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雑音がひどく、はっきりと聞こえませんでした?
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 前項のように至近距離・見通し距離ではAM/FM共メリット5で無線交信できる筈ですが、百歩譲って【注5】【注7】通信状態が良くないうえ英語の発音が悪くて "Korean Naval ship" (韓国海軍船)が "korian Coast gurd" (韓国沿岸警備隊) と聞こえたので応答しなかった?・・・
と「緊急周波数」で受信したけど、その内容が難解だった件について考えてみましょう。【注6】

 先ず確認すべきは軍艦(DDH-971)搭載の遭難緊急用無線機器の保守点検が行われていて正常に機能していたか否か? もし故障がなかったならハード的には この至近距離・見通し距離通信は「メリット5」で交信できた筈だが? それとも艦の通信士は軍事活動中か何かだったため意図的に応答しなかったのか?
 
 私には
(英語の発音が悪くても)「防衛省公開.mp3」では "Korean Naval ship" が聞き取れますが「韓国公開.mp3」では "Korian ???? ????" (根性で聞くと "Korian ???? ship" かも?)としか聞き取れません。 "This is Japan Navy" 辺りの受信品質からすると "Naval ship" も聞き取れてしかるべきですが何故か "Naval Ship" 部だけが聞き取れません?【注1】【注4】【注5】【注6】


"Naval Ship" 部のオーディオスペクトラムアナライザーによる解析(クリックで音声再生)

@この部分で急にノイズが発生して信号がかき消された形跡はありません。
A一瞬
この部分だけ急に信号強度が落ちた為聞き取り難くなった状態に感じますが、スペクトラム波形を注意深く観察してもQSB フェージングの発生は確認できません。【注2】
B混信があった場合、FMでは弱肉強食で信号の弱い方の電波が影響を受けますが、AMの場合は両者それなりの強さで混ざって聞こえます。【注3】
この部分に混信による影響は確認できません)


この音声は意図的に "Naval Ship" の部分が人間には聞き取れないように改竄されていると推察します。
従ってこの部分を "Coast gurd"  と聞き違える事すら不可能な筈です。【注4】【注5】

          2018/12/28 防衛省公開.mp3


          2019/1/4 韓国公開.mp3


【注1】私には長年の経験から「微弱な信号」「雑音」「混信」「フェージング」等の悪条件中の電波を正しく聞き取る能力が備わっています。

【注2】至近距離・見通し距離通信では原理的にフェージング QSBは発生しません。これらの伝搬異常は電離層反射を使用した時の現象です。

【注3】前項ISSとの宇宙通信では深良中学校近くの無線局が不用意に発射した電波と混信を起こし内容が不明瞭になった箇所がありましたが、本事案のように場所が海上であって、緊急周波数で不用意に電波を発射する「混信加害局」は皆無でしょう。

【注4】唯一韓国側の反論証拠と思われる部分
「韓国公開.mp3」の7秒(YouTubeの 3:41)地点から "ポッ" "ポッ" とキー操作時の確認音が録音されていて、これは「防衛省公開.mp3」にはないので DDH-971の緊急無線受信機での録音(10.5秒間)と判断すべきでしょう。
  但し、気になる点があります: 無線機の音声はモノラルです。従って「防衛省公開.mp3」はLRとも同レベルで相似形スペクトラムとなっていますが「韓国公開.mp3」では ▼LR間でレベル差があり ▼Lチャンネル側にある極細のパルスノイズがRチャンネルでは観察されない(LR相似形=モノラル でない)無線機からの音源はモノラルなのでLR相似形スペクトラムになる筈ですが、何か後加工でもしたのか?

【注5】
"ザーー" と連続的にノイズが入っているが、この程度のノイズで単語 "Naval ship" が搔き消されることは無く、単に "ザーー" 音が耳障りなだけ。 何故なら このノイズの中 "hull number 971, this is Japan Navy" 等は正しく聞き取れています。この録音データーは受信評価「メリット3」ですね。但し 実際の交信環境からすると「メリット5」で受信できた筈だが?

【注6】(英語の発音が悪くても)私には聞き取ることができる「防衛省公開.mp3」の "Korean Naval ship hull number 971, this is Japan Navy" に関して「韓国公開.mp3」を私が聞くと "Korean ????? ???? hull number 971, this is Japan Navy" "Naval Ship" 部を残し他の語句は聞き取れます。
  百歩譲ってDDH-971の通信士には
"Korean Corst gued hull number 971, this is Japan Navy"聞こえたとの主張になりますが此処で新たな疑問が生じます

「韓国沿岸警備隊」に続く「艦艇番号971」
自分(DDH-971)のことであると、この電文を聞いたプロである通信士は瞬時に気付いた筈で
(軍事展開中で無く救助活動中であれば)「韓国沿岸警備隊」と「艦艇番号971」の矛盾を正す為、直ちに応答して両者の矛盾点を再確認をした筈です
・・・洋の東西を問わずプロの通信士ならこのように行動するものです…それがプロです。



 更にもう一点の疑問: 韓国側発表によると当時は「遭難救助活動」の真っ最中だった訳だが、この最中に緊急(救難)無線回線で自艦を意味する「艦艇番号971」を受信したにも関わらず、「応答」しなかった事になり、こんなデタラメな対応は理解できない。
(通信士の資格や そのスキルを持たない人物が軍艦の通信担当なのか? それとも通信士は上官から応答しないよう命令されたのか?)

【注7】DH-971が呼出しに応答しなかった事の韓国側弁明
「電波を弱く雑音がひどかった。『コリアコースト』(Korea Coast Guard=韓国海洋警察)という単語しか判別できなかった。遭難船の救助で、周辺にいた海洋警察の船を呼んだのだと考えた」




【参考】ご存じですか? 英語が第一言語でなく完璧な英会話力を持たない多くの人はネイティーブ スピーカーと話すより、お互い非ネイティーブ スピーカー同士での英会話のほうが理解しやすい事を…
 この程度
英語の発音が悪くともネイティブ スピーカーには聞き取れるし、私にも聞き取ることがでます。もし此れをDDH-971の通信士が聞き取れないとするなら、
ネイティブ スピーカーに喋らしたら なおさら聞き取れないでしょう (^_^;)




 国家間でこんなやり取りが行われているのを見聞すると唖然として「開いた口が塞がりません」が、本稿TVのワイドショー感覚でお読みくださいHI  (^_^;)